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幻想夜話:19 [過去の創作ノートから]

久しぶりに、過去の創作ノートから作品をご紹介しようと思って。
世間では『鬼滅の刃』が大人気ですが
偶然、今回は「鬼」が登場しています。
・・・自分ながら、さてはて、どうしてこんな作品書いたんでしょうね(笑)。
でも自分に謎を深めるって、ちょっと楽しいです。


+++


A:いやあ、まったく。どうしていつもこうなんだろうねえ。
B:何をいまさら。当然じゃないっすか。
A:やっぱり、“当然”って言葉が妥当なのかい?
B:何年鬼やってんすか、ったく。


C:おーい、誰かちょっと来てくれないかー?
D:どうされたんですか?
C:こいつ、今回はなかなか首がくっつかなくて。
D:え?毎度のことなのに?
C:ああ、何か今回はヘンな感じで。…おい、しっかりしろ!

E:い、いだいよぉお。いだいよぉお。いだいよぉお。

D:確かに重症ですね。何か変わったことでもあったんでしょうか?
C:さあなあ。いつも通り、最期の一太刀は金太郎のヤツだろう?

E:い、いだいよぉお。いだいよぉお。いだいよぉお。


A:ううん、困ったなぁ。
B:で、何をそんなに悩んでるんっすか?
A:いやさあ、どうしていつもオレたちばかりなのかなぁーってさ。
B:酒、飲み過ぎっす。
A:飲んででもねーと、やってられなくね?
B:…急に現代っ子っぽい話し方は止して下さいよ。
A:鬼には文語調が似合うべしと?
B:そうは言ってないっす。ただ・・・。
A:何だい?
B:鬼は負けてなんぼ、ってのが昔からの決まりですって。
A:そろそろ飽きたよ。だって、毎回だよ?
B:僕に言わないでくださいよ。


C:今日はみんなに話があるんだ。大事な話だ。よく聞いてほしい。
*:(ざわざわざわ)
C:酒呑童子が、死んだ。
*:(どよめき)
C:そこでだ、諸君。今後、誰が酒呑童子になるのか。
F:誰かがならなければ、いけないんですか?
C:そうでなければ、金太郎のおとぎ話が消えてしまうのだよ。
G:え?それだけの理由かよ?!
D:それだけって…すごく大切なことじゃないですか!
G:おれには、カンケーねえ。
C:お、お前、酒呑童子さんにあれだけ世話になっておきながら…!
G:ハハ、何で好き好んで、毎度、首切られなきゃならないんです?
C:それは…鬼はそういうもんだろう?!
G:鬼なんて、いつ、誰が決めたんだよ?


A:オレさあ、もう止めようかと思うんだよ。
B:酒っすか?
A:いや、鬼をさ。
B:はあ?!そんな、そんなこと出来ないでしょ?
A:冷静に考えてみろよ。
B:はあ。
A:オレは鬼なのか、本当に?鬼って、何だよ?
B:退治される存在、っす。
A:どうしてだい?
B:え?その方が都合がいいんっすよ。
A:誰にだい?
B:そりゃあ、ヒーローたちのため?
A:ヒーローって誰のことだい?
B:僕たちじゃない人たち?



鬼ケ島って、どこにあるのかしら。
鬼ってだあれ?


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