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螢華ブログ、はじめます。 [はじめに]

大人になるにつれ、少しは器用になって強くもなった。
それでもいつもどこかはみ出してしまう自分がいる。

私をよく知る人たちはいつも首をひねって相反する感想を投げつけるのだ。
「あなたの話は論理的だと思う。でも、ちょっと組織的に考えすぎる。
この場では、もっと自由に楽しめばいいんだよ。」
「君の話は感覚的過ぎて、ここでは、そのうち誰も耳を貸さなくなるよ。
もっと論理的に説明しなくちゃ。」

個性とか禁忌とか見ないふりを通そうとしても
いつもそれは私の隣で口をあいている穴のようにそこに在る。

夢見るのは、見たこともない景色。
淡い光の粒でしかない螢たちが、いつしか火柱となって夜空を焦がす姿。
・・・そう、特別な夜の出来事。

そこに相反するものは何もない。
そう在りたいと願ったことが私の現実となって存在しているだけだから。
見たい姿だけが見え、聞きたい声だけが聞こえている世界。
手を伸ばせば、いつでも貴女に届く指先もそこでは私のものだ。

いつも私の隣で口をあいている穴は
どこまでも続く漆黒。
怖くて仕方ないのに目が離せない。
あの特別な夜も、その中にある。
いつもそう・・・憧れは闇の中で息をひそめてる。

揺れ、震える。
日常を捨てて、いっそ落ちてしまえという声に従うか
それとも矛盾と圧縮によって象られた今に留まるのか。
答えは明確なのに。


ふと思い立った朗読という行為。
ぜんぜんなんの根拠もないけど
その行為の向こうに
落ちもせず、留まりもしない
まったく別の選択肢があるような、そんな気がしている。

わがままだと自覚しながらも
それでもはじめてみる。

どうぞ、
私の声を
私の姿を
貴女の目に留めて下さい。




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